中学二年生の一年間で、あたし、大西葵十三歳は、人を二人殺した。
ISBN:448847201X 文庫 桜庭 一樹 東京創元社 2007/12 ¥609
◆用意するものはすりこぎと菜種油です、と静香は言った。◆What’s your poison?◆宮乃下静香の告白◆用意するものは冷凍マグロと噂好きのおばさんです、と静香は言った。◆用意するものはバトルアックスと殺意です、と静香は言った。


以前、同じ著者の『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』を読んだことがあった。
そのときは「このライトノベルがすごい」のPOPと表紙の絵で買ったのだった。これぞ暗黒系という話だった。

今回のこの本は、町田のとある書店ではラノベと同じところに積まれていた。
なのでラノベかと思ったら…出版社が違うのだった。
この作品のタイトルは知っていて、前はハードカバーで出ていた。
ハードカバーは手が出しにくいが、文庫ならということで手に取ったのだった。

話は「あたしは二人の人を殺した」というひとことから始まる。
いきなり衝撃的なところから始まるのは『砂糖菓子〜』と似ている。
舞台も田舎の町と似たよっている。

あたし口調で書かれているので、なんとなく可愛らしくもあるが…
楽しい事ばかりではない。
そこにはたんたんと描かれている。
決して幸せではない日常。

そして二人の少女、大西葵と宮乃下静香が出会い…殺人が…。
ほんのささいな悪戯のはずだったのに。

事件は葵に暗い影を落とした。だが誰も気付かないのだった。
だが、その事実を知る静香は、「あたしにも殺したい人がいる」と葵に期待をかけるのだった。

夏が終わり、絡む事が無くなる二人だったが、
冬になり、静香の祖父がきっかけで、ふたたび近づく二人なのだった。

終盤は二転三転。

ちょっとしたどんでん返しだったかも。

章のタイトル(静香のセリフでもある)がちょっと面白かったりする。
殺人の為に用意するものなのだが…意外なものばかり…
バトルアックスは確かに戦闘用だけれど…
現代日本にはそうそうその辺にあるものじゃないし(笑)

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