ISBN:4840237158 文庫 紅玉 いづき メディアワークス 2007/02 ¥557
魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。
額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖。自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。願いはたった、ひとつだけ。
「あたしこと、食べてくれませんかぁ」
死にたがりやのミミズクと、人間嫌いの夜の王。
全ての始まりは、美しい月夜だった。
それは、絶望の果てからはじまる小さな少女の崩壊と再生の物語。

(第13回電撃小説大賞<大賞>受賞作)


この本を読もうと思ったのは「となりの801ちゃん2」の中で絶賛されていたから。
それならばどうだろう?というわけで。

このタイトルを見て…動物が主人公の話なのかな?と、思った。児童文学みたいな感じとどこかに書かれていたし。

でも、ミミズクは鳥のミミズクではなかった。
人間の女の子だった。

夜の森にあらわれたミミズクはさまよっている。
木の枝などど傷つくことも厭わず、森を歩き続ける。
そして、夜の王に出会い「わたしを食べて」と願うのだった。
彼女には何があったのか?
悲壮感がただよう…そんな感じ。

だけど、ミミズクのキャラはひょうきんだったりする。
前半の間延びしたような言葉遣いは非常に面白かった。

そのへんがいいのかもしれない。

平和(?)にミミズクたちが暮らしているところへ、近くの王国から人間の魔物討伐隊が…それはミミズクを救出するためだった。
ミミズクは救出(?)されるが…

この話で描かれているのは人間の傲慢さだと思う。

ミミズクは森にくる前は、奴隷だった。
それも盗賊をなりわいとするような者達に。

そして、夜の王もかつては人々の諍いに巻き込まれ、その場を追われたのであった。

魔王討伐隊も人々の勝手な勘違いによる。

どれも、人間が問題になっている。

しかしながら…この物語には悪人はいない。
いいひとばかりだったりする。

だから、読みおわったあとはやさしい気持ちになれるのかもしれない。

期待どおりの面白さでした。

おまけ:
毛むくじゃらで丸く、細い手足を持っているクロちゃん(ミミズク命名)が登場するが、これって801ちゃん(マスコット)と同じビジュアルだよなぁ…と思った。
そうか、だから「となりの801ちゃん2」で絶賛してたのか(笑

ちなみに、ミミズクが本当は男の子なんじゃないかとか…いろいろ考えたりして(笑

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