猫目石（栗本薫）

この話は、伊集院大介と「ぼくら」シリーズの栗本薫（以下薫クン）が競演する話で
ふたつのシリーズの名探偵が一堂に会すのだった。

語りは、薫クンの一人称の形で語られるが、
以前の話に森カオルの一人称があるので…伊集院大介に違和感はない。

ところで、この森カオルと作中の栗本薫は、どちらも栗本薫自身ではないかと思う。
どちらも作家だし。
でも、薫クンの方は、森カオルをあんまり良くは思っていないようである。
同じような投影のような気がするのだけどね…。
あとがきだと「森カオルを分身だとは思って欲しくない」なんて書いてあったりするのだが…。

今回の話の特出すべきことは、
ヒロインの朝吹麻衣子かな。
彼女は大人気の絶世の美少女アイドルだが…
歳が離れた薫クンと恋をするのだった。

テレビとかで大人気のアイドル少女
そんな少女が一回りも離れた自分なんかに恋するなんて事はない。
なんて思ってたりするのだけど…でも、そんなことになって
まさか…という展開だったりしますが、やはりそうじゃないと面白くない。

この恋の行方が面白かったです。

でも、事件が終わったあとで…ああいう結末になるとはね…。


ところで、伊集院大介シリーズにしても、ぼくらのシリーズにしても、
なにやら、しらない物語があるみたいで、
冒頭にその話も出てくるのだけど…
それってどういう話なの？
…と気になってみたり。

伊集院大介の方は、知らないのがたくさんあるのだけど、
薫クンの方は…こんなのがあったのかと驚いてみたり。
ちなみに、薫クンのシリーズの方は
私が知ってる以外にもうひとつ「魔境遊撃隊」というのがあるらしい。
これは本屋でタイトルぐらいは見かけてたけど…
薫クンシリーズであったとは…これは読んでみるべし。

さらにぼくらシリーズの石森信が出る「ハード・ラック・ウーマン」というんもあるとか。
なんだか…読まなければならない（笑）ものが増えたなぁ。


さいごに、この物語は薫クンのシリーズにしても伊集院大介シリーズにしても第5作目であるらしい。